治 療 指 針

痛みの悪循環のお話

痛み、外傷などによりその部位の知覚神経が刺激され炎症(発痛)物質(セロトニン、ブラジキニン、プロスタグランジンなど)によりセンサーが興奮して神経に伝達されて脊髄に入り、上行して脳が痛みを自覚します。このとき痛み刺激は交感神経を興奮させ血管を収縮させます。交感神経が興奮すると副腎からカテコールアミンの分泌が促進され血管を収縮させます。

脳が痛みを認知すると脊髄を下行して運動神経を興奮させ筋肉の緊張を増大させ血管を収縮させます。上記のシステムにより痛みの発生場所で血管収縮が起こります。そのことにより局所の乏血が起こり血流不全になり細胞組織の酸素欠乏になり細胞が代謝できず発痛物質が生成されさらに痛みが増強します。

これが痛みの悪循環です。

痛みの悪循環を改善するには交感神経ブロックが注目されます。当院ではレーザー光線による交感神経ブロックを行っています。交感神経の興奮を抑えることで、血管収縮が抑えられ血流改善をすることができ痛みの悪循環をも改善します。また、局所の乏血には、直接レーザーを照射することにより筋肉の緊張を緩和し、血流改善につながります。

副交感神経の優位

治療について、疲労や炎症を起こしている所をいかに改善させるか、患部の血行を上げることにより新陳代謝を活発化させて症状を改善させる。

脳への血流量を上げることで間脳視床下部にある自律神経の働きが活発になる。全身(四肢末端)の血行が上がり皮膚が赤みを帯びて体が温かくなってくる。お腹の臓器(胃、腸など)の動きが活発になる。トイレに行きたがる人が多い。膀胱からの排尿作用が起きているものと思われる。これらの症状は、副交感神経の働きによって行われる。


副交感神経は、リラックス、休息する、主に夜間に働く神経です。主な働きは、血管を拡張、汗の分泌を抑制、瞳孔を縮小させ、涙を分泌、酵素成分の多い唾液を分泌、気管、気管支を収縮、心臓の拍動を抑制、肝臓ではグリコーゲンを合成、胃の運動を促進、膵液の分泌を促進、横行、下行結腸の運動を促進、子宮を拡張、膀胱では排尿を起こし、男性生殖器では陰茎の勃起などです。

副交感神経は、脊髄から出ており動眼神経、顔面神経、舌咽神経、迷走神経、骨盤内臓神経などです。

よって交感神経ブロック(星状、上頚神経節)をしなくても総頚、椎骨動脈へのレーザー照射で脳への血流量を上げることで副交感神経を優位にすることができる。今までに比べて照射範囲が大きくなって楽にレーザー照射が可能になり治療効果も断然いい。

ホメオスターシス(生体の恒常性)の三角関係

自律神経系、内分泌系、免疫系がバランスをとり合いながら生命の維持を保っています。

自律神経系は、身体の働きを調整する役割

内分泌系は、ホルモン分泌を司る役割

免疫系は、外部から侵入する異物から守る役割

この3つの働きのバランスを保つことで健康を維持しています。

このバランスが崩される原因はストレスそのものです。外部から何らかのストレスが加わると視床下部の働きで自律神経のスイッチが切り替わると同時に内分泌系、免疫系が作動し、そのとき時に適した状態に身体を適応させます。長期間ストレスにさらされると交感神経ばかりが優位に働き続けCRH(副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン)が分泌され続けます。結果、ホルモンもストレスを防御しきれなくなっていきます。外部からのストレスが直接免疫機能に影響を及ぼし、自律神経系、内分泌系の働きを変調させることもあります。故に体がストレスにさらされることで交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、ホルモンはストレスに対して防御の限界が超えたり、免疫系の働きが弱まったりします。ホメオスターシスはバランスを失って病気を起こしてしまいます。

ホメオスタシス照射法 (生体恒常性照射法)

頭部、体幹、四肢末端までの血行を上げることができ、痛みの悪循環を改善する。頭部の血行が上がることで自律神経は副交感神経を優位にし、内分泌(ホルモン)系、免疫系ともにホメオスタシスのバランスの正常化がなされ、全身がリセットされる。

スーパーライザーPXの場合:固定照射

出力モード固定、光出力100%、照射時間2分

照射部位:仰臥位で胸骨柄~胸骨角(第2肋骨切痕)

胸部交感神経、第1、2、3胸神経、上行大動脈、大動脈弓

照射部位:仰臥位で顔を横に向けて頚三角部

頚部交感神経、第5、6、7頚神経、総頚動脈、椎骨動脈